新しい年を迎えて
理事長 平野 敏夫
昨年もあっという間に過ぎました。同世代の患者さんが多いので、暮れには、「1年が早いですね~。正月といっても歳を取るばかりでめでたくないですね」という会話を交わしながら診療していました。
新型コロナは「5類」の感染症となり、インフルエンザと同じ扱いになったとはいえ、流行が収まったわけではなく、インフルエンザの流行もあって診療所の発熱外来には毎日患者さんが来られています。私は高齢者なので発熱外来の診療は免除されていたのですが、最近は新型コロナの毒性は弱まってきたということもあり時々ブースに入って診療することもあります。
新型コロナは世界的なパンデミックで、流行が始まった頃は「新型コロナとの戦い」などと言われましたが、なんとか落ち着いてきました。しかし、人間の戦争は一向に終わる気配がありません。ロシアのウクライナ侵攻は3年になろうとしていますが終わりそうにないし、昨年はパレスチナでも戦争が始まりました。イスラエルのガザに対する攻撃で多くの子どもたちが殺されています。新型コロナのパンデミックでも多くの人が亡くなりました。しかし、コロナのウイルスは人間に戦争を仕掛けたわけではありません。ウイルスは人間に入らないと生きていけないのです。人間が死んでしまえばウイルスも生き残れないのです。従ってどこかで折り合いをつけておとなしくなります。しかし、人間が起こす戦争はそうではありません。明らかにウクライナを侵略する為に戦争を仕掛け人を殺す。イスラエルはハマスを殲滅するまで戦争を止めないと明言しています。国連も停戦させることが出来ていません。ウイルスより人間の方がたちが悪い。しかし、人間のやっている戦争ですから人間の力で止めさせるしかありません。日本にいて抗議のデモに参加することしか出来ませんが何が出来るか考えていきたいと思います。
今年もよろしくお願いします。