週末戦士のス・ス・メ

所長 毛利 一平

 「戦士」って物騒ですね。

 何と戦うんですか?

 いえいえ、別に誰かと戦おうってわけではないんです。ま、あえて言うなら、自分との戦いかもしれませんが。

 週末に限って張り切って運動する人たちのことを、週末戦士(ウィークエンド・ウォーリアー)と呼ぶそうです。

 「健康のために一日8,000歩、歩きましょう」なんて言われたりします。ボクも診察室で「習慣的な運動が大事ですよ」なんて話したりしますが、なかなか難しいのも事実。特にここ数年のコロナ禍の影響で、すっかり運動しなくなってしまった、なんて声も聞かれますからね。

 世界保健機関(WHO)によると、週に150分の「無理のない運動」で体が健康になり、長生きにつながる、らしいです。「無理のない運動」って何よ?と思いますが、これは例えば1.6kmを20分のペースで歩くことだとか(ひまわり診療所~亀戸駅東口を20分で往復すると、ちょうどいいかんじでしょうか)。これを一週間、毎日続けることができれば、目標達成です。

 「いや、毎日なんて無理、無理!!」

 そうですか。毎日20分だけでも難しいですか。

 そんなずぼらなあなたにお勧めしたいのが「週末戦士」です。

 なんと、一週間分の運動を土日にまとめてやっても、効果はあまり変わらないんですって。例えば、自転車を45分間漕ぐ×2日間、無理のないペースで35分間泳ぐ×2日、1分間で160mのペースのランニングを45分間×1日(1時間10kmのペースで7km、ですかね)でも同じ効果があるんだとか。

 どうでしょう、がんばれそうですか?

 何を隠そう、ボクも実は週末戦士なんです。

 毎週日曜日、元パパ友たちと公園のグラウンドに集まってサッカーをやります。2009年に始めましたから、もう13年になります。みんな子どもが小学校のサッカークラブに通っていて、大人も一緒に楽しみましょう、って集まったのが始まりでした。

 初心者から「実業団でやってましたっ!」て人まで集まって、はじめは子どもたちと一緒にボールを蹴ったり、一緒に勉強して審判の資格を取ったりしていました。夏にはバーベキューを楽しんだり、チャンスがあれば飲み会で騒いだりもしましたが(実のところ、飲み会にだけ参加するメンバーもいます)。なんせチームの名前が「ホッピーズ(Hoppys)」ですからね。ボールを蹴飛ばすよりも、お酒を飲んで騒ぎたい気持ちが見え見えですね。

 あくまで楽しくサッカーするのが目的でしたが、一度はアマチュアフットサル(5人制サッカー)のリーグ戦に参加して、大変な目にあったこともあります。私たちの平均年齢が40歳くらいで、相手はほとんど20歳前後のチームばかり。1対36だとか、3対42だとか、バスケットボール(?)みたいなスコアで、ボロボロに打ち負かされていました。

 サッカーが好きで集まったはずなのに、路線対立(何の?)で去ってしまった人がいます。子どもが大きくなってしまって、来なくなってしまった人もいます。引っ越しや転勤でお別れした人もいます。その一方で類は友を呼ぶというのか、新しく加わる人も多く、日曜日の朝には20人から30人ぐらいが集まります。

 最近は若くて上手な人が増えてきたので、私たちあまり動けないベテラン勢は肩身が狭いです。パスをもらえないことが増えたので、ボク自身はどちらかというとゴール前で相手の邪魔をする専門です。

 サッカーはダッシュを繰り返すので、運動の強度としてはかなり強いほうでしょうか。いつも2時間ぐらい走り回って、歩数にして15,000歩弱、距離にすると10kmぐらいを走って終わります。結構無理をして走っているので、日曜日は夕方ぐらいまでぐったりしていることが多いです。

 「週末戦士」はどれだけ健康になるのでしょうか?

 データによると、まったく運動しない人たちに比べて死亡リスクが3割も下がるそうですよ。どうです?やってみませんか、「週末戦士」。あ、でも今は暑いのであまり無理をしないでくださいね。