新年のごあいさつ

所長 毛利 一平

 明けましておめでとうございます。

 ひらの亀戸ひまわり診療所は、皆さんが毎日を健やかに過ごすことができるよう、精一杯お手伝いいたします。2022年もどうぞよろしくお願いします。

 コロナに明け暮れた2021年でした。年明け早々の第3波、春の第4波、そして夏の第5波と続いた新型コロナ感染症の流行で、診察室はほとんど息つく間もありませんでした。昨年秋から診療所入り口前の小さなスペースに陰圧ブースを設置し、一般診療と並行して唾液によるPCR検査を行い、症状を少しでも緩和できるようにと、治療も行ってきました。8月のピーク時には1日約10件のPCR検査を行い、半数が陽性という時もありました。

 また、6月からはワクチンの個別接種も行いました。最大でも1週間で36人程度と多くはありませんでしたが、高齢のかかりつけ患者さんを中心に、診療所として何とか最低限の役割は果たせたのではないかと思っています。

 ほんの数件でしたが、在宅のコロナ患者さんへの対応も行いました。日本語が不自由な外国人患者さんのところへ、食料を届けたこともありました。いま振り返ってみて、よくあれだけのことができたなと思います。

 毎日の消毒などで残業が重なり、疲れが積もる中でも一緒にがんばってくれた診療所の職員たちには本当に感謝しています。また、こんな状況でもひまわり診療所を信頼し、利用していただいた患者の皆さんにも感謝です。

 何が幸いしたのかよくわからないところがかえって不気味ですが、いま日本ではとりあえずコロナの感染が落ち着いています。でも欧米や韓国などで例外なくオミクロン株による感染が急速に広がっているところを見ると、早晩日本でも同じような状況になることは間違いないのでしょう。

 ただ、私たちも2年前とは違います。コロナが何者なのか、ずいぶんわかってきましたし、戦う道具もあります。今や、マスクや手洗い、人と接するときのちょっとした配慮など、簡単な工夫だけでも十分に戦えることを、みんな知っています。望めばワクチンだってあります。大丈夫、怖がってばかりいないで、前に進みましょう。

 さて、2022年です。当面、コロナが医療にとって大きな問題であることに変わりはありませんが、他にも大事なことはたくさんあります。

 診察室で日々患者さんと向き合う中で、今私が一番気になっているのは地域の高齢化です。最近患者さんに、「自宅まで伺いますよ」と声をかけることが増えてきました。僕がこの診療所に来てもうすぐ丸7年になりますが、ここにきて明らかに高齢の患者さんが増えてきているように思います。7年もいればそれだけみんな年を取って当たり前? そうかもしれませんが、それは一方で若い世代が増えていない、地域全体が高齢化していることを意味してもいるはずなのです。

 これまで僕自身は診療所で、診察室で診ることしか考えていませんでした。京葉道路の横断歩道を渡れなくなったり、駅前のかかりつけ医や地域の病院に通うのが難しくなる患者さんたちがいる、しかもかなりの数の。そんな状況が起こりつつあるということを理解できていませんでした。

 2022年、ひまわりはもっともっと街の中に出かけます。皆さんが毎日を過ごす部屋まで、医療を届けたいと思っています。ですから京葉道路の横断歩道を渡るのが怖くなってきたら、診療所までの途中で2回、3回と立ち止まって休まなければならなくなったら、遠慮なく声をかけて欲しいと思います。「家まで来てほしい」、そう言ってください。

 他にもたくさん、やりたいこと、やらなければならないことがあります。孤独や孤立に悩む患者さんたちを支える、人生の最後の日まで患者さんに寄り添う、働く世代の過労や心の問題に取り組む・・・。

 まだまだ力不足ですが、診療所も日々成長しています(ほんの少しずつですが)。新しい知識を学び、経験を積み重ね、この地域で医療や健康のことなら「とりあえずひまわり」、「まずひまわり」と言ってもらえるようがんばります。

 2022年のひまわり診療所に

 ご期待ください!!