淋しかった僕の庭に朝顔が咲いた

鍼灸師 富永純枝

 昨年はステイホームする機会が多く、猫の額のベランダで過ごす時間が増えました。そういう方も多かったようで園芸店はいつもより大賑わいだったようです。そのおかげでここしばらく荒れ放題だった鉢植えたちがやっと息を吹き返しました。

 一番感動したのは10年目にして初めてシークワーサーの木に実がなったことです。今までアゲハの幼虫が葉を食い尽くしたり、カイガラムシが大繁殖したりしてもほったらかし。今回は暇に任せてプチプチしたのが功を奏したようです。小ぶりな実が5つ、半分に切るとちゃんと甘酸っぱい香りがして、ジューシーな果汁をゆっくりと味わいながらいただきました。

 花より団子派なので、実のなる木や食べられるハーブや薬草しか植えてこなかったのですが、なんとなく花が恋しくなり朝顔やビオラも植えてみました。新参者の朝顔は生い茂るジャスミンと競い合いながらツルを伸ばし、結局12月に入っても咲き続け、緑一色だったベランダに彩りを与えてくれました。園芸療法といわれるリハビリテーションがあるように、緑や土に触れることで精神安定やストレス解消などの効果が得られるようです。今はチューリップや水仙の伸び始めた芽に春の訪れを感じています。

花

 ひまわり診療所で昨年から始めた認知症カフェでは、ぺットボトルに植えた朝顔や子宝草などをお配りしてご自宅で育てていただきました。診療所のベランダでも看護師さんの発案でコンポストを設置しています。使い方に詳しい患者さんにご指導いただきながら、生ごみや米ぬかなどを混ぜてたい肥を作っているので、お茶やコーヒーかすなど毎日出る生ごみが随分減りました。うまく発酵していないこともあったりと試行錯誤しながらですので、たまに待合室までぷ~んと何か漂ってくることがあるかもしれません。そのときはご容赦ください。

 ひまわり診療所オアシス化計画、ゆっくりと進行中です。今年は少しでも居心地の良い待ち合い室を目指して、緑を増やしていきたいと思います。あちこちに隠れアイテムもあるかもしれません。ご期待ください。こうした方がよく育つよ、などのアドバイスもぜひお待ちしております。