ひまわり診療所の診療内容

●じん肺の取り組み

 現在通院している職業病の患者さんで最も多いのはじん肺の患者さんです。茨城県と福島県にまたがる常磐炭田の坑内で働いていた人たちで、退職後咳や痰が続いてもじん肺と診断されずにいましたが、当院の健康診断でじん肺と診断され、労災補償が得られました。大工、左官などの建設労働者もほこりの多い作業でじん肺になります。とりわけ、建材に含まれる石綿(アスベスト)を吸入すると肺ガンや胸膜中皮腫になる危険性があります。このような建設労働者も通院しています。この他にもトンネル工事、鉄工所での溶接やグラインダー作業、ガラス工場での原料混合作業、鋳物工場での型ばらしなどでほこりを吸入してじん肺になった労働者が多く通院しています。詳しくは、中皮腫・じん肺・アスベスト(石綿)疾患外来のページを御覧ください。

 診療所に通院するじん肺の患者さんは、患者会を作っています。全国組織としては「じん肺患者同盟」があり、その支部に「北茨城支部」「常磐炭田高萩支部」「東京東部支部」「建設東京支部」があり各々活動しています。また、職場でクロムや有機溶剤(シンナーなど)他の有害物質を吸って中毒になった患者さんへの対応もしています。

●外国人労働者への対応

 最近、多くの外国人労働者が」3K(きつい/きたない/危険な)職場で働いていて、労働災害に被災しても、事業主が労災保険の手続きをしてくれないため、充分に治療が受けられず困って受診しています。

●整形外科もあります

 最も多い職業病と言われる腰痛症の患者さんも通院しています。建設現場の重労働をしている外国人労働者、福祉施設で老人の介護などをやっている労働者などです。また、VDT(コンピューター作業)などで頚肩腕障害になった労働者も通院しています。週3回整形外科の医師が診療にあたっていますが、治療だけでなく「腰痛・頚腕手帳」を使いながら、職場での対策などのアドバイスを行なっています。また、同じフロアにある「篠原ひまわり鍼灸院」と連携をとりながら鍼灸治療も行なっています。詳しくは、整形外科のページを御覧ください。

●産業医活動

 治療や補償だけではありません。最も重要なのは、労働災害・職業病を出さない予防です。診療所では地域の職場に産業医を派遣し、安全衛生委員会に出席しながら職場改善のアドバイスを行なっています。また、健康診断も、定期健診だけでなく、じん肺や有機溶剤など有害物質の特殊健康診断も行なっています。