良性石綿(アスベスト)胸水とびまん性胸膜肥厚
<良性石綿(アスベスト)胸水>
石綿(アスベスト)に起因する良性の胸水です。
- 石綿(アスベスト)曝露歴があり
- 同じ側や反対側に胸水を繰りかえし
- 胸水をきたす他の原因(細菌・結核・ウイルス・悪性腫瘍・膠原病・心不全等)が認められない
- 経過から悪性腫瘍が否定できる
<びまん性胸膜肥厚>
臓側(肺側)の胸膜が様々な原因で、びまん性間質性に繊維化をきたし、その病変範囲が胸郭全体の4分の1を超えるものをいいます。原因として良性石綿(アスベスト)胸水が多いが、悪性腫瘍や感染や外傷等でもありうるので鑑別が必要となります。胸部レントゲン写真で肋骨横隔膜角の不鮮明化、胸部CT写真で全周性の肥厚を認めます。悪性中皮腫との鑑別で胸膜生検を要する事もあります。良性石綿(アスベスト)胸水から、びまん性胸膜肥厚となり、在宅酸素療法に到った例の経過を今後お示めしします。2003年から労災補償の対象疾患となっています。