先の186通常国会は6月に閉会したが、私たちの生活に直接かかわる法律が承認されています。法律の名前は長たらしくて、とても覚えきれませんが、介護保険もその長い名前の法案の中に入っています。
介護保険のことは、既に新聞などで報道されていて、特に目新しいものではありませんが、改めて触れてみます。
まず、「特別養護老人ホーム」へ入所するのには、介護度が「3」以上でないと入ることはできないという内容です。介護保険の入所施設としては、もう一つ「老人保健施設」というものがありますが、大きな違いは、前者は入所すれば、終の棲家になるのに対して、後者では、移らなければならないというものです。これも東京と地方ではかなりの違いがあります。地方では、年単位で入所が可能な「老人保健施設」があるのに、東京では、通常3ケ月で移らなければならないような運用がされています。法律では、3ケ月は継続して入所を続けた方が良いのか否かを判断する時とされているだけで、3ケ月しか入所できないという根拠ではないのです。多くの入所希望者がいる東京では、3ケ月で移ることになっているようです。
問題は入所希望者に対して東京は圧倒的に施設が少ないという点にあります。だから、いずれ特別養護老人ホームの入所を希望する人は、入所の順番が来るまで、病院を転々とし、老人保健施設を転々とすることになってしまいます。例えば、親一人、子一人のような場合、親の介護度がそれほど高くなくても大変ということになります。それが、今回の法律で特養は介護度「3」以上でないと入所できないとなれば、いかに底上げして老人保健施設を増やしたらよいのか、そのことを真剣に考えてもらいたいと思います。しかし、今回の法律は、そうした点には一切触れられてはいません。
もう一つは、介護保険に2割負担が導入されるという問題です。勿論全員ではありません。年金収入が280万円以上の人が、介護でかかった費用の内2割を負担していただくというものです。実施は来年の10月からです。