ひらの亀戸ひまわり診療所
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2013年7月 第83号

23年経ちました

ひまわり診療所理事長 平野敏夫

 1990年6月9日にオープンして23年になりました。2010年には20周年のイベントを開催し多くの方に参加いただきました。23年というと約四半世紀になります。設立当初からスタッフは変わり、患者さんも当然変わっています。世の中の様子もかなり変化しています。

 ひまわり診療所は、働く者のための診療所として設立され、特に労働災害や職業病の被災者の治療と診断、さらに補償につなげることを重要視して来ました。設立当初は、北茨城の炭鉱で働きじん肺になった患者さんが200名近く受診していました。茨城から毎月2回診療所に通っていただきました。23年を経る中、皆さん高齢化し亡くなる方も多く、現在約50名になり、東京への受診も困難になって、現在は月2回北茨城に出張診療をしています。代わって受診されているのは、大工や左官などの建設労働者のじん肺やアスベスト関連疾患の患者さんです。アスベストは、使用禁止を求める運動の成果で、やっと昨年使用が全面禁止になりましたが、過去に建設現場で働いて建材のアスベストを吸入した建設労働者が、長い潜伏期間を経て発病して受診しています。今後少しずつ増えるでしょう。

 じん肺の患者さんは減っているのですが、今の労働現場は23年前と打って変わって厳しくなり、長時間労働や上司や同僚からのいじめ、パワハラ、セクハラで会社に行けなくなったりうつ病になってしまう労働者が後を絶たず社会問題になっています。診療所にも労働組合や安全センターの紹介で受診されています。想像を絶するようないじめもあります。時には月二回の心療内科の受診を勧めることもあります。photo

 整形外科の石橋先生の「軽度外傷性脳損傷」外来も数年前から新たに始まって、全国から患者さんが来院されています。三橋先生の[AKA]治療は診療日が土曜日だけになって予約がなかなか入らず患者さんにはご迷惑をおかけしています。

 外国人の患者さんも20年前と比べるとだいぶ減りました。一時月に100人になろうかという時期もありましたが、その後超過滞在の厳しい取り締まりもあって減少していきました。今では、日系ペルーなどのビザがある患者さんが受診しています。worker

 隅田川の路上生活者の受診もここ数年です。毎月第3日曜日の健康相談会で医療が必要とされた方が翌日の月曜日に受診します。必要な方は福祉事務所に行って生活保護の手続きをします。毎回若いボランティアが付き添って来ます。

 もちろん地域の患者さんも少しずつ変化していますが、中には設立当初から通っておられる方もいます。当時小児科で来られていた子供さんが立派に成人されて時々通院されています。私たちも年をとるわけです…。

 とにかく今後ともよろしくお願いします。

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