東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年経ちました。放射性物質が広い範囲に拡散し、避難区域に指定され強制的に避難させられた人たちがいる一方で、避難区域に指定されていないにもかかわらず、放射能の空間線量が高い福島市に避難したくても避難できない人たちが数多くいます。その福島市で、「子供たちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」(代表山田真 八王子中央診療所)が子供たちの健康相談会に協力し私も参加してきました。
避難区域に指定されていなくても自主的に避難した福島県民が首都圏にも数多くいますが、皆さんばらばらに避難したのでお互いのつながりもなく孤立しています。そして、避難したものの爆発直後の被爆の不安、慣れない土地での生活の不安、子供たちに対するいじめの不安、経済的な不安などで親子ともどもストレスがいっぱいです。このような状況の中で、避難した人たちの健康相談を行いながら、ばらばらに避難している人たちが交流し、悩みを共有しお互いつながろうと、2月19日に健康相談会が開かれました。主催は、「つながろう!放射能から避難したママネット@東京」のお母さんたちが中心になった実行委員会です。
相談会は2か所の会場で行われました。亀戸ひまわり診療所には、8家族約20人の親子が相談に訪れました。多くのボランティアが参加し、子供たちのためにお絵かきコーナー、ゆるゆる体操、手品、紙芝居、絵本の読み聞かせなど、またお母さんのためにはハンドマッサージなどがあり、子供たちは大喜びで、帰りたがらない子供もいたようです。しかし相談は深刻で、避難する前の被爆の影響や、避難して悪化した持病、子供のストレス、生活不安などの相談や、地震直後断水になり、給水車に子供を並ばせ被爆させてしまったと後悔しきりのお母さんもおられました。小学校高学年の娘さんが、将来がんになるのではという不安を訴えているという深刻な相談もありました。やっぱり原発は止めなくてはと改めて思った相談会でした。