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予防接種理事長 平野敏夫最近、小児の細菌性髄膜炎の予防接種であるヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンが問題になっていて診療所にも接種を見合わせるようにという通知が厚生労働省から来ました。 両ワクチンとも生後2ヶ月から7ヶ月の間に接種されるのですが、3月に入って、両ワクチンと他のワクチンを同時接種後1~3日で6人の乳幼児が亡くなりました。厚生労働省の検討会は「直接の因果関係は不明」としながらも当面接種は中止という通知を出したのです。確実な因果関係を解明するには時間を要するのでとりあえずの中止は妥当だと思います。先天的な心臓病がある子供もいましたが、ワクチンを接種できる状態であった乳幼児が接種後に続けて亡くなるのは単なる偶然とは思えません。一昨年の新型インフルエンザのワクチンでも接種後に100人以上の方が亡くなっています。この時も検討会の「因果関係不明」という見解が出されましたが、接種は続行されました。 ワクチンは効果があれば重篤な病気の予防に有効ですが、副反応が心配です。ましてや死亡することがあるとなると尚更です。インフルエンザの予防接種をするかどうか迷って相談される方も時々おられます。最終的にはそれぞれの判断になるのですが、判断するための情報が重要です。今回も一昨年の新型インフルエンザのワクチンも「因果関係不明」以上の情報はあまり流されていません。 どうも、国は何事にも情報を十分に提供せずに一方的に対策を進めることが多いように思います。国民に余計な不安を与えるとパニックになると考えているようですが、やはり正確な情報を提供して対策を講じていくのが筋でしょう。今回の大地震における福島原発の事故でも、報道を見ていると、時間を置いて情報を小出しにしているように思いました。国だけではなく東京電力の問題もありますが、私たちの不安感が余計増したと思います。 診療所における日常診療でも同じで、医者から出来るだけ情報を提供して、患者さんの意見を聞きながら診療することが重要です。ひまわり診療所で出来ているかどうか心配ですが・・・・。が大事です。今年も引き続き昨年と同様に診療活動を行っていきます。よろしくお願いします。 |