ひらの亀戸ひまわり診療所

ひまわり診療所 所長 平野敏夫

 昨年は診療所設立20周年を迎えて10月に感謝の集いを開催し、ひまわり診療所応援する会の皆さんを始め大勢の方に参加していただきました。皆さんの応援のおかげで20年間奇跡的に(?)やってくることが出来ました。本当にありがとうございました。

 昨年も、日常診療はもちろん、労災職業病の被災者の診療、外国人労働者や隅田川の野宿者の診療、また産業医活動などによる予防の取り組みを引き続き進めてきました。建設労働者のアスベスト関連疾患の取り組みも、労働組合と国保組合と連携し北は青森、南は大分という全国的な出張診療を展開し、山形や首都圏などで被災者の掘り起こしも少しずつ進んでいます。また肺がんなどの労災認定にも協力してきました。

 相変わらず厳しい労働現場で働いている外国人労働者が多い現状があります。下町ユニオンや東京安全センター、CTIC(カトリック東京国際センター)が協力して外国人の労働・生活相談を取り組んでいるネットワーク亀戸に協力しました。

 また、この間整形外科の石橋医師を中心にして取り組まれている軽度外傷性脳損傷の患者さんの掘り起こしも昨年は大きく進み、社会的にもこの病気が認知されるようになって来ました。MRIやCTなどの画像では異常が見えないため、まともに診療を受けられずに苦労されている患者さんが診療所を受診され、患者会である脳損傷友の会に入り元気をもらっています。

 一昨年政権が交代し医療制度においても曲がり角に来ています。高齢者に負担を押し付けるということで私たちが反対した後期高齢者医療制度の廃止が決まったものの、次の制度について不透明な状況があります。また介護保険制度も来年度の見直しが決まっていますが、これもさまざまな意見があり調整が難航しているようです。診療所としても患者さんの立場に立って考え意見を述べていきたいと思います。

 いずれにしても日常診療を始め地域での活動が大事です。今年も引き続き昨年と同様に診療活動を行っていきます。よろしくお願いします。

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