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昨年は、新年早々1月に玄関のガラスを割って泥棒が入り不安な1年を予感させましたが、何とか無事に終えることが出来ました。 3年前、兵庫県尼崎市で(株)クボタによるアスベスト被害が明るみに出ることによりアスベストが社会問題になって以来、アスベスト関連疾患の患者さんやアスベスト健診の労働者が毎日のように来院されています。輸入されたアスベストのほとんどは建材に使われていて、大工や左官などの建築労働者が吸い込んで被害に会っています。アスベストは「静かな時限爆弾」と言われ吸い込んで数十年経って肺がん、中皮腫、アスベスト肺などの病気が出てきます。ここ数年被災者は増えてきています。建材のアスベストは2年前に使用禁止になりましたが、これまでに使われたアスベストが約1000万トン日本中の建物に残っています。今後、吹きつけアスベストの除去や建物の解体・改装作業に多くの建設労働者が従事することになります。そこで安全対策が不十分だとまた数十年後に多くの被災者を出すことになります。 ひまわり診療所は、この間建設労働者の労働組合とタイアップしてアスベスト関連疾患の被災者の掘り起こしと今後の予防活動に向けた健康診断活動を東京労働安全衛生センターと協力しながら取り組んでいます。活動はどんどん広がって全国的な取り組みになり、昨年は北は青森県、南は鹿児島県の組合から検診の依頼が来ました。すでに山形県や福島県には出張して健診を行っています。今年は岩手県での健診がすでに決まっていて、更に全国展開することが予想されます。益々忙しくなりそうです。 昨年、漢字検定協会が1年を代表する漢字として選んだのは「変」でした。悪い方向に変わったという実感を持つ人がほとんどでしょう。年末には大企業やその下請けで働く多くの派遣労働者などの非正規労働者が解雇され寮などを追い出されるという事態になり大きな問題になりました。外国人も多く含まれていました。世の中の状況が悪くなると真っ先に割を食うのは日頃から厳しい状況にある人たちです。隅田川のブルーテントで暮らす人たちも増えていると聞いています。ひまわり診療所は、今年も益々厳しい状況になっている人たちが、「とりあえずひまわり診療所に」と気軽に受診し相談できる診療所として、少しでも力になれるように進んで行きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 |