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毎年漢字能力検定協会が一般公募する一年を代表する「今年の漢字」に、2006年は「命」が選ばれました。選ばれた理由のひとつは、秋篠宮に待望の男の子が生まれたのを祝うということだそうです。それはそれでいいのですが、命は皇室だけではなくすべての人にとってかけがえのないもので、「命は地球よりも重い」、「命には軽重はない」などと言われます。 しかし、この間の医療制度や様々な政府の施策を見ると、とてもすべての人の命が大切にされているとは思われません。少子化が大きな問題になり、将来の生産人口が減ってこのままでは日本の将来が危ういと、小児の医療費を無料にする一方で、高齢者の医療費はその自己負担を1割から2割、3割へと徐々に上げていく。生活保護がますます受けにくくなる。小零細企業で一生懸命働いている外国人労働者の医療保障は相変わらず一切認めない。「障害者」の介護や医療の費用を「自立支援法」で1割の自己負担を課す。またアスベストの被災者に対しても、新たな救済新法が出来たものの極めて不十分な補償でしかないなどなど、とにかく国は医療費などの社会保障費を切り下げることに躍起になっているようです。これでは、高齢者、「障害者」、外国人、何らかの理由で生活に困っている人たち、また公害による被災者の「命」が皇室の「命」と同じように大事にされているとは到底思えません。一方で、国際競争に勝てるよう大企業などの税金は減らす。強いものが豊かになれば、そのおこぼれが下に落ちて行くとでもいうのでしょうか。 このような政府の施策に対して様々な反対の声が挙がりひまわり診療所も一緒に反対して来ました。しかし、様々な反対の声にもかかわらずどんどん国会で通ってしまいました。腹立たしい事態です。今年もいろいろ大変そうですが、ひまわり診療所は理不尽な国の政策に反対すると同時に、国の施策からはずされる人達とともに歩んで行きたいと思います。今年もよろしくお願いします。 |