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舌を噛みそうな名前の学習会が6月3日、診療所の4階で行われました。重いものを持ったり長時間同じ姿勢をしたりして腰が痛くなったとか、仕事や家事で肩こりや腕のしびれがひどくなったなどの経験がある方は多いと思います。そんな作業によって起こる筋肉や骨、神経の障害とはどんなものか、勉強し意見交換していこうという会です。当日は、患者さんをはじめ、医療関係者、相談スタッフなど17名が参加しました。 第一回目は、5月に日本産業衛生学会の頸肩腕障害研究会で発表された「頸肩腕障害の定義・診断基準・病像等に関する提案2006」の報告を三橋医師がされました。WMSDのうち上肢などに作業の負担がかかって起こるものを頸肩腕障害と言いますが、現在広まっている診断基準は30年前のものだそうで、予防も含め新たな観点に立った診断基準の見直しとして提案されたものです。 今回の提案では、頸肩腕障害の原因が賃金労働によるものだけでなく、自宅でのコンピューター作業、家事、日曜大工によるものや、職場でのストレス等、心理社会的要因のある場合も含まれるそうで、草むしりで肩が痛くなっても頸肩腕障害と診断されるとのこと。患者さんからは「自分の症状が更年期によるものか頸腕によるものか区別がつかない。」との意見もありましたが、このような個人的要因があっても作業が原因の一つになっている場合や、特定の病名のつかない症状(肩こりや背中の痛みなど)も含まれています。この提案が世間に広まれば、頸肩腕障害の患者さんのみならず病名がつかず様々な症状に悩まされている方々の救いにもなると思いました。 後半は参加者が三つに分かれてグループワークを行い、この提案の良い点、改善すべき点を話し合いました。今回は初回のため難しい内容になってしまいましたが、今後の課題として、提案文章のチェックリスト化や具体的な治療法やコントロールの仕方、職場改善の方法などを取り上げてほしいとの声が聞かれました。 第二回目は9月を予定しています。患者さんの体験談、海外からゲストを招いたり、実際に身体を動かしてみようという案も検討中です。こんなことしてみたいというご意見、企画、及び世話人になってくださる方を募集しています。皆さん是非ご参加下さい。 |