ひらの亀戸ひまわり診療所
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2016年新年号 第93号

2016年新春のご挨拶

所長 毛利一平

 新年あけましておめでとうございます。2015年、ひまわり診療所は設立25周年を迎えました。まずは私たちの医療を信頼し、診療所を利用していいただいている患者さんと地域の皆さんに、「労働者のための診療所」として生まれたひまわりを支えていただいている労働組合の皆さんに、そして様々な場面で支えていただき、また共に歩んでいただいている(医療)機関・団体の皆さんに感謝いたします。

 25という数字に特別な意味があるわけではないですが、四半世紀という区切りの良い年に、ひまわりは大きく変わることになりました。一昨年、医師として加わった私が4月から所長を任される一方で、創設者の平野医師の診療時間は少なくなりました。設立当初から看護師として活躍された下地るみえさん、平賀萬理子さんが退職し、新 しい看護師として田中浩世さん、川崎千世子さんを迎えました。また、事務職員として2002年から2012年まで務めていただいた永井未咲さんが復帰されました。

 時間とともに人が入れ替わるのは必然ですが、ひまわりが実践する医療に大きな変わりはありません。労働者の健康をまもるという、真ん中に掲げてきた目標は、これからも変わりません。ひと昔、ふた昔前と比べると、今の日本の職場にはメンタル不調以外の労災・職業病など存在しないかのように錯覚してしまうことがありますが、じん肺や有機溶剤中毒といった古典的な職業病患者の受診が絶えることはありません。

 むしろ、中小企業などでは問題が見えにくくなってきているのではないかと心配しています。病気の治療はもちろんのこと、労災補償に関する支援から予防対策としての職場環境改善に至るまで、NPO法人東京労働安全衛生センターとの協働で質の高いサービスを提供してゆきます。一方、地域にもたくさんの課題があります。診察室で私自身が特に感じるのは、「高齢化」、「外国人」そして「貧困」でしょうか。

 長らくひまわりを利用していいただいている患者さんたちの中には、通院が難しくなっている方がいらっしゃいます。また、社会全体が高齢化している以上、診療所のすぐそばに、私たちが知らないところで、医療を受けることに困難を感じている高齢者の方々が、少なからず存在しているに違いありません。外国人(中でも在留資格が不安定な場合)や経済的な困難を抱えている方々も、それぞれに医療を受けることの難しさがあるという点で共通しています。

 明日からすぐにというわけにはいきませんが、そうした人たちに必要な医療を届けられるよう、診療所の外に足を踏み出す活動にも力を入れ、さらには予防・健康増進のための活動や、地域の人たちがつながる拠点としての役割をこれまで以上に果たせるよう頑張りたいと思います。

 2016年、新しいひまわり診療所にご期待ください。

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