ひらの亀戸ひまわり診療所
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2013年1月 第81号

新しい年を迎えて

ひまわり診療所理事長 平野敏夫

 年を取るとともに1年が過ぎるのが早くなります。同じ1年間ですが、昨年もあっという間に過ぎました。一昨年に起きた東日本大震災の復興もまだまだ、福島第一原発も不安定でまた地震が起きれば何が起こるかわからない状態です。福島の多くの人たちが飛散した放射能から避難し、首都圏にもたくさん来られています。江東区には国家公務員の官舎に約1500人の人たちが避難しています。昨年は、避難している人たち特に子供たちの健康相談会を2回にわたってひまわり診療所で行いました。これは「つながろう! 放射能から避難したママネット」が中心になって開催したもので、福島から避難して慣れない土地で苦労されている人たち、とりわけ子供たちのストレスは大変なものです。少しでもできることがあればという思いで開催したものです。多くのボランティアが集まり、手品や読み聞かせなど遊びも交えてにぎやかでした。今年も2月に3回目を行うことになっています。

 いわき市の仮設住宅にも行きました。この仮設住宅には事故を起こした福島第一原発がある大熊町の人たちが避難している仮設住宅です。相談はそれほど多くないのですが、福島原発で働いていた方や、子供を連れた親子が相談に来ています。仮設住宅の暮らしも楽ではないようです。特に子供にとっては、遊ぶ場所もなく、あまり騒ぐと隣から苦情が来るなどしてストレスがたまるようで、健康にも影響しています。大した力にもなれませんが、今年も続けることになっています。pix

 昨年の暮れ総選挙と東京都知事選挙があり大きな変化がありました。世の中が良くなるのか悪くなるのかわかりませんが、首相になる人と都知事になる人の話を聞くとどうも楽観できません。とりわけこれまでひまわり診療所がお付き合いしてきた、労災職業病の被災者、外国人労働者、路上生活者、小零細企業で働く人たちにとっては厳しくなるでしょう。

 めげずに地道に進んでいきたいと思います。今年もよろしくお願いします。

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