ひらの亀戸ひまわり診療所
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2012年7月5日 第79号

扁桃周囲膿瘍と蓄膿症

高山俊雄

 初めて扁桃膿瘍になったのは、丁度今頃の梅雨の季節であった。何故か喉が痛くなり、うがいを続けたが改善の兆しはない。そんな頃、熱海で労住医連の幹事会があり、うまく言葉を出すこともできず、呼吸するのにも苦しくなる。身体は微熱が全体にある。何か特別な病気になったのかと不安でたまらなかった。
 翌日の月曜日、耳鼻科に受診したところ、「扁桃周囲膿瘍」だと診断された。自分では、何故そんな病気になったのか聞きたかったが、声が出ない。医師は「入院して治療するか、外来でするか選択してほしい」という。入院は嫌であったので、外来にしてほしいと言った。すると医師は、1本注射を打った。この注射は、咽頭の膿をもっと進行させるための注射だという。それでどうなるのかと聞く私に「明日か明後日にはこの膿が破れるから、気を付けるように」という。
 家に帰って、口から出るであろう膿を受けるために小さな洗面器を用意し、そこに新聞紙を敷いて、待った。この頃には咽頭がかなり腫れ、唾を吐くのも一苦労であった。翌日の夕方、一気に喉が緩むような感覚があり、膿が洗面器を満たした。
 この原因が持病の蓄膿症にあると分かったのは、数年後、再発時の医師からの説明であった。以来、帰宅すると、消毒液でうがいを欠かさず予防に努めている。

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