ひらの亀戸ひまわり診療所
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2012年7月5日 第79号

「通勤労災」事故

篠原憲彰

 5月22日、東京スカイツリーの開業日。天候は雨と風が強い。私は午後7時頃に治療を終え、自転車で家路についた。いつものコース。番所橋を渡り、しばらく行くと交番がある。そこを通り過ぎてすぐに前方から来た自転車に接触。飛ばされて、そのまま小学校の鉄柵に自転車ごとぶつかってしまった。相手が猛スピードで突っ込んでくるのは分かっていたが、避けきれなかった。私は左手に傘をさしていた。突っ込んで来た相手は、塾へと急ぐ中学生。彼の右手にも傘があった。警官が呼んでくれた救急車で西葛西の森山記念病院に搬送された。CTを撮る。画像を見ると医師から『ずいぶん腫れています。鼻の中にも血が溜まっています。蓄膿症はありますか?』と聞かれる。『血が止まらない』と言われながら9針の縫合手術を受ける。医師は、もうすぐ終わりますと言いながら、手術はなかなか終わらなかった。優に1時間はかかっただろう。
 事故から1ケ月。額の右側には傷と痛みが残っている。今回の経験から、今後私は傘をさして自転車に乗ることはないでしょう。
 さて事故当日、私は当たり前にCTを撮られた。勿論、骨折の疑いがあるのだからやむを得ないのだが。6月22日、朝日新聞の記事を見た。「CT検査などの普及で、医療の検査、治療による被ばくが増えている。」「日本のCT機器の保有台数が突出して多い医療被曝大国」「推計では、治療を除く医療被曝線量は一人当たり年間3.8ミリシーベルトと先進国の平均2倍。これは一般の人の年間線量の4倍近い」という記事。別の調査では、がん患者の3.2%はCTなどの放射線被ばくによるものだとある。
 メリットとデメリットの問題なのであろうが、その被ばく量の多さには驚かされる。
 原発事故から1年4ケ月。この頃は、新聞を見るのが辛い。アメリカから提供された「放射能汚染地図」をほったらかしにしていた件。東電社長、他幹部の天下りの件、保安院はじめ規制する人々がお金をもらっていた件、電力会社に情報を漏らしていた件。動いてもいない原発維持のため、電気料金を支払わなければいけない件。政府の事故調・東電の事故調報告の件。
 先日、関電大飯原発の再稼働が決まったが、あきれた話が新聞に載っていた。再稼働した原発は13ケ月間動かす決まりになっているそうだ。
 又、ベトナムでは日本からの輸出で、原発工事が着工されようとしている。

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