ひらの亀戸ひまわり診療所

鷲谷博美

 私は最近日本泳法の『横泳ぎ』を習う機会があり、その泳ぎの優雅さにとても惹かれたのです。そこで、皆さまにも是非知っていただきたくて書くことにしました。

『横泳ぎ』を全く知らなくて『日本泳法』って何?と思う方が殆どではないでしょうか。泳ぎ方の解説は私の文章力では充分に伝えきれませんので、最後に絵をつけることにしましたのでご覧下さい。

 横泳ぎはは年配の方だと熨斗(のし)と呼ばれ泳げる方もいらっしゃるようですが、一重熨斗(一重伸)は、1600年代に水戸で生まれた泳ぎ方で『熨斗』とは「のばす」という意味です。次に日本泳法の歴史について紹介します。

 古式泳法とも言われ、鎌倉時代からある日本古来の泳法で、甲冑を着用しての着衣水泳や水中での格闘技術、立ち泳ぎでの火縄銃の射撃など、武術としての水中の戦闘技術であり、身を守るための泳ぎで武士のたしなみとして重んじられていました。

 現在の日本泳法は『潜水、飛び込み、手浮き、立泳、横泳』とあり、型は58種目あります。全国で12流派があり、ちなみに東京は「水府流太田派」です。年に1回全国大会が開催されていますが、オリンピックなどで日本の水泳が活躍できるのは、鍛錬された日本水泳の水準の高さがあったからだといわれています。

 次に私の体験を書いてみたいと思います。横泳ぎは体の「伸び」が大きいほど良いとされていますが、ゆっくりゆっくり伸びるためには、体のバランスを保つ(絵の(2))のがとても難しく、腹筋が必要ですが、体はグラグラするし、頸の筋は痛いしと悪戦苦闘しました。なんとか少し泳げるようになり、「伸び」が長くとれた時の気持ち良さは、通常の4種目の泳ぎにはない魅力的なものがあります。

 ちなみに上級者は自然の中でも横泳ぎで【無我の境地に遊ぶ事ができる】とも言われています。是非皆さまもトライしてみてはいかがでしょうか?

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