ひらの亀戸ひまわり診療所

高山俊雄

 コムスンが、認定職員の数が足りず、不正請求していることが問題となり、コムスンを所有するグッドウイルは、厚生労働省の指導によって、コムスンを切り離し、他の事業者に売却しようとしている。この問題の本質は何だろうか。

 一つは介護保険点数が低いために、介護従事者の給与が安く、定着できないという指摘がある。

 他方、九州でスタートしたコムスンは、九州というエリアなら十分に収支バランスが取れていたのに、買収され、全国展開することによって収支が難しくなってきたという指摘もある。

 ただ、こうした二つの指摘も、結局利益を追及したことの結果であって、問題の本質は、介護を営利目的の対象事業にしてしまったことが問題なのだというもっともな指摘もある。

 1987年に「社会福祉士・介護福祉士法」がつくられた時、私は妙な感覚でこの法律と向き合っていた。それは、これからの介護は、業者がこうした資格を持った職員を雇い、各自宅に派遣するという業種が作られ、福祉とはかけ離れていくのだという感覚である。介護保険が実施されたのは2000年であるから、まだ13年も前のことである。

 結局この感覚は、これからは役所の責任はなくなるのだ、という喪失感に似た感覚でもあった。私にとっては、小泉?安倍政権が進めてきた多くの規制緩和が、行政責任の放棄を伴っていたことを「コムスン」の事態によって再認識させられたといえる。

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