ひらの亀戸ひまわり診療所

ひまわり診療所 所長 平野敏夫

 最近は世の中あげて健康ブームで、高血圧や高脂血症などのいわゆる生活習慣病がことあるごとに取り沙汰され、健康サプリメントやコレステロールを下げる料理油、血圧を下げる健康飲料などにぎやかです。国も、「健康増進法」を制定しさらに「食育基本法」なども考えているようで、「余計なお世話」と言いたくなるような今日この頃です。最近「下げたら、あかん! コレステロールと高血圧」という本を読みました。なかなか刺激的なタイトルではありませんか。著者は浜六郎さんという医者で、薬害問題に対する取り組みから、薬が乱用され、科学的でない治療法がまかり通っている現状を訴えて、NPO法人医療ビジランスセンターを設立し一般向け医薬品情報誌「薬のチェックは命のチェック」という雑誌を編集発行しています。

 高コレステロールと高血圧は血管の動脈硬化を促進し脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす、従って食事療法、運動、そして薬で治療しなければならない。これは「医学的常識」です。しかし浜さんは本書で、降圧剤やコレステロール低下剤が乱用され、コレステロールや血圧が少し高いくらいですぐ薬が出される現状に警鐘を鳴らしているのです。例えばコレステロールだと、学会の正常値は220mg/dl以下とされていますが、本書では、日本や外国の論文を紹介しながら220〜260mg/dlくらいが癌になりにくく長生きであることが書かれています。血圧も、最近の医学界の傾向は正常範囲の基準がだんだん低くなる傾向にありますが、本書では血圧もあまり下げすぎないほうがいいと言っています。

 健康志向も行き過ぎるとかえって逆効果ということもあります。特に薬には副作用がつき物で、薬に頼りすぎる「健康」は考えものです。インフルエンザでも、最近は、早めにタミフルという薬を飲むと早く治るということがマスコミでも喧伝され、患者さんから要求されることも多々あります。しかし、インフルエンザはタミフルを飲まなくても治るわけです。仕事が休めないので少しでも早く治りたいと言う気持ちは分かりますが、ゆっくり寝て治せるようなライフスタイルも追求したいものです。健康であることは確かにいいことですが、たまには好きなことで夜更かしをし体を壊すことがあるのが人間らしい生活と思いませんか?

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