ひらの亀戸ひまわり診療所
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2019年夏号 第107号

「安心して認知症になれる」診療所づくり

看護師 田中浩世

 昨年、看護学校時代の友達から「一緒に認知症ケア専門士の資格取らない?」と話があり、詳しい事が分からないまま承諾し、今年何となくではありますが認知症ケア専門士と言うものになりました。そして5/25~5/26の2日間、認知症ケア学会が京都で開催され参加してきました。

 この学会は認知症の本人でも参加可能で、興味深い講座や研究発表などどれも関心のある内容のものばかりでした。その中でも認知症カフェをテーマにしている演題が幾つもあり、好奇心を掻き立てられました。 私も以前から患者さんが外来の後などにフラっと寄れてお茶でも飲める場所があったら良いのにな~と思っていましたので・・・。

 演者さんの話を聞きながら色々と想像をしていき、それ程ハードルは高くない様な気になっておりました。ある演者さんがカフェの立ち上げでの問題点として挙げていたことが数点あり、それらをひまわりの現状に当てはめてみると次の様になります。①認知症カフェ開催にあたり場所の確保ができない⇒4階には使えるスペースがある ②集客が難しい⇒外来には人が集まる ③開催日時の告知方法⇒ 外来の掲示板や通信を活用 ④田舎で交通手段がない⇒人の往来も多い立地で交通手段もある。しかし、地方のカフェでゆとりある人手がひまわり診療所では足りないのが現状です。

 料理や脳トレ等、カフェの内容としてはいろいろと考えられます。お客様も認知症に限らず、老若男女問わず、誰でも集える場所を作れたらなぁと。何かアイディアをお持ちの方がいらっしゃいましたら、お声を掛けて下さい。

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 さて、亀戸ひまわり診療所は来年で30周年を迎えますが、私達スタッフも毎年1歳ずつ年を重ねています。誰が先に認知症になるか判りませんが、誰が先になってもおかしくないのです。しかし順番から行くと平野先生でしょうか。その大切な先生やスタッフが認知症になっても安心して働いて行ける様な環境づくりを早急に進めて行きたいと思っております。認知症と診断されたら直ぐに仕事を辞めなくてはならない世の中の現状では病状も進んでしまいます。認知症になったとしても、少しのサポートや理解が有ればやれることはまだまだ有ると、先に認知症になった方の患者の声としてあがっております。だからこそ、認知症になっても働ける環境作りが非常に重要だと考えております。またそれは近い将来、私の為そしてあなたの為にもなるかと思います。皆がお互いを支えられる様な体制を築いていく事が、安心して認知症になれる方法かと感じております。その為には今直ぐに、スタッフや周りを巻き込んでの体制づくりを始めて行かないと亀戸ひまわり診療所にはもう時間が無いかもしれません。皆様、毎日生き甲斐の感じられる生活を一緒に送りませんか?

 先日は「ユマニチュード」と言う知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法を学んで来ました。ユマニチュード(Humanitude)はフランス語で「人間らしさ」を意味します。そして、「人間らしさを取り戻す」と言った意味も込められております。

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 まだこの技法を取り入れている病院や施設は少ないのですが、私自身が当事者なら是非このユマニチュードを用いた技法で接して貰いたいです。ご存じでない方もいらっしゃるかと思いますので7/22~7/31「優しい認知症ケア ユマニチュード」のDVDを診療時間中にひまわり診療所2F畳のスペースで流す予定ですので、ご興味のある方はお立ち寄り下さいませ。

 ユマニチュードと言う技法は認知症に限らず、日常の様々な場面で活用できます。ひまわり診療所に来て、荷物にならない温かいお土産を持って帰って頂けたら幸いです。

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