ひらの亀戸ひまわり診療所
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2019年夏号 第107号

雑 記

鍼灸師 篠原憲彰

 2年続けての手術のせいか、身体がおかしく感じます。痺れる様な、痛い様なとすっきりしません。仕事はできているので気にしなければ良いのでしょうが。暇を見つけて歩いてはいたのですが、以前の状態に戻したいと、再度、走り始めました。私の住まいの近くの荒川の土手を走っています。広い空と、川面の景色を楽しんでいると、この頃は、すっきり感が少しずつ戻って来た様に思います。

 ところが、先日のアクシデント。慌てて走り出そうとして転倒してしまいました。身体が前へ出ようとしているのに、足がついていかなかったのです。ここまでの転倒は初めてで、自分の年齢を感じました。傷も治ったので、熱中症に注意しながら、ゆっくりと走り続けたいと思います。

 先日の、逃亡犯罪人引き渡し条例改定に反対する香港の人々の行動には感動しました。6月9日には103万人、6月16日には200万人近くが参加した抗議行動。正に燎原の火の如くでした。「一国二制度」を守らない中国に対し、香港の未来を守る為の行動でした。中国の意を受けた長官は謝罪し審議延期を決定したが、事態は予断を許しません。非暴力を貫き、分裂せず、中国政府の介入を排し闘ってほしく思います。

お灸

 さて、鍼灸院で使用しているせんねん灸の新聞に「お灸で結核を治す」記事が載っていたので紹介します。結核は世界で既に20億人が感染し、2014年に960万人が新たに発病し、150万人が亡くなっています。亡くなる人の多くは、公衆衛生が整備されていない貧困国の人々です。1940年代に抗結核薬が開発され、発病者は減少しますが、アジア、アフリカの貧困国では発症率は変わっていません。貧困とAIDSが重なると、栄養状態、生活環境が良くない人々は免疫機能が低下し、結核を発症します。

図

 イギリスの鍼灸師、マリーン・ヤングさんは、原志免太郎先生のお灸と結核の研究(お灸が白血球数を増加させ、免疫性を強化し病気の予防に有効である)から学び、抗生物質がない時代にお灸が結核から人々を救っていたのであれば、お灸で免疫力が高まるならAIDSと結核を治療できるのではないかと、ウガンダで治療を始めました。結核の治療は時間がかかり、持続性が求められます。患者さん自身がお灸をすえるのですから、コスト抑制が求められます。そこで「足の三里」のみの施灸になりました。(原先生は、亡くなる前日まで足の三里に灸をすえ、100歳過ぎで天寿を全うされたと聞いています。)

 根拠を提示する為、ランダム化比較試験(RCT)を行っています。足の三里に直接灸7壮、両足で14壮、180名の患者を90名ずつ「抗生物質+灸」「抗生物質のみ」(AIDS重複者24・25名)に分けてRCTを行った結果、6ヶ月後「抗生物質+灸」群は、1人を除いて陰性、AIDS重複者全員陰性でした。「抗生物質のみ」では、7名が陽性、AIDS重複者は2名が陽性でした。お灸による効果は明らかですが、今後、多剤耐性結核治療成果が待たれます。「足の三里」。松尾芭蕉が深川から奥の細道へと旅立つ時、食あたり、水あたり、健脚、疲労対策として施灸した所でもあります。

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