ひらの亀戸ひまわり診療所
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2019年春号 第106号

ひまわり診療所はどこへ行く

経理 須澤めぐみ

ライオン

 まだ私が浅草寺の近くで若きOLをやっていた頃のこと。寝坊して、冷蔵庫の中にあった「いつ買ったのかも覚えていない生菓子」を食べて慌てて出社し、始業後すぐ「上からも下からも」の食あたりを起こしたことがあった。這うようにしてようやくひまわり診療所にたどり着いた私は、もはや出すものも無くなり、待合室の畳の上で目をつぶって横になっていた。余程ひどい顔色をしていたのだろう、しばらくして視線を感じて目を開けると、数名のおじ様たちが私の顔をのぞき込んでいる。「ねえちゃん、順番、かわってやるから先に診てもらいな」・・・。じん肺系の患者さんたちであろうことはすぐに予想がついた。人としても大先輩。利益優先の企業に体を害され、そしてたたかってきた労働者としても大、大、大先輩である。寝坊と不注意で食あたりを起こした若輩者の私なんぞが順番を譲ってもらうわけにはいかない。「先、診てもらえ」「先、診てもらえ」と譲ろうとするおじ様たちのご好意を、やっとこさ、お気持ちだけいただくことにし、混んでいても穏やかな雰囲気に居心地の良さを感じつつ再び目を閉じた・・・。

 ひまわり診療所も、他の経営体と同じく時代とともに変化を迫られる。さて、どこに向かってどう進んでいくのか。

 数年前にマスコミを賑わした大塚家具のお家騒動は、高級志向の高所得者をターゲットに絞り続けたい創業者(父)と、ニトリ、イケアなどに集まる中間層を取り込みたい現社長(娘)の、路線をめぐる対立だった。創業者が従来通りの経営を続けてもうまくいかなかったと思うが、現社長のかじ取りはあまりに安易でお粗末。問題点は何か。①中間層を取り込もうと会員制を廃止し、セールを乱発してブランド価値を下げてしまったため、既存の顧客(高所得者層)が離れていった。②高級品販売のためのシステム(仕入・店舗形態など)をほぼ変えずに勝負に出てしまった。ニトリやイケアは「そこそこ良いもの」を大量販売するシステムを持つ。値段、品数、手軽さなどの面では決して勝てないことがわかっている上で、大塚家具は、格差社会で購買力を落とした中間層に対し、手ぶらで何をアピールしようとしたのか。

 そもそも興味の無い高級家具屋の話だが、経営の基本を教えてくれる。軸としてきた方針・事業をないがしろにすると屋台骨が揺らぐ。そして新しい事業を目指すなら、従来のビジネススタイル・経営資源(いゆるヒト・モノ・カネ・情報・・・)の強みをどう活かすかがカギとなる。その上で不可欠なのが合理的な営業努力。まだ家具屋(かぐや)姫にはやり直すチカラ ― ヒトを切り捨てる無情さとすべてのモノを刷新する資金がある(かもしれない)が、ひまわりは江戸っ子。失くしちゃならない情はあるが、宵越しの金なんか持ってない。

 ひまわり診療所とゆかいな仲間たち。強みはどこにあり、どう活かせば良いのか・・・!?

花
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