ひらの亀戸ひまわり診療所
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2019年春号 第106号

朝鮮学校のこどもたち

看護師 平賀萬里子

 毎年2月になると、東京、神奈川の朝鮮学校では持ち回りで学校公開をします。これは、一人でも多くの日本人に朝鮮学校を知ってほしいという願いからです。

女の子

 2月9日、私は地元、川崎朝鮮初級学校へ行きました。雪が結構降っていて寒い日にもかかわらず、すでにたくさんの人が来ていました。音楽の授業を見学しましたが、教室の中央にバケツがあり、時折、天上から水が「ポタッ」と落ちていました。子ども達はそれを気にもせず、楽器演奏に集中していました。体育館に移動すると、この日の為に合唱や舞踊、演奏の披露です。生徒数は少ないのですが、歌声は大きく響き渡り、踊りや民族楽器の演奏は完成度の高さを感じました。弁当を持参したのですが、オモニ会(母親の会)がおいしいユッケジャンを振る舞って下さり、冷えた身体が温まりました。

 ところで、皆さんは何故日本に朝鮮学校があるのかご存じでしょうか?

 かつて日本が朝鮮半島を植民地にし、強制的に徴兵・徴用し、仕事を奪われた朝鮮人も仕事を求めて日本に渡って来ました。民族のことばを奪われ、創氏改名で日本名を名乗らされ、関東大震災では約6,600人もの同胞が日本人に虐殺され、屈辱的な時代を生きてきました。1945年、日本の敗戦により解放された朝鮮人が、民族のことばを取り戻そうと始めたのが朝鮮学校の始まりです。今、通学している子達は4世、5世が中心です。

 しかし此の間、日本では拉致問題や核問題がマスコミで報じられる度、子ども達や在日朝鮮人・韓国人に、偏見に基づいた差別的な言動 ― ヘイトが繰り返されました。又、国は朝鮮高校にだけ授業料無償化(助成金)排除をしています。こういった国の態度は更にヘイトを助長しています。

 国連人種差別撤廃委員会・人権委員会からの「マイノリティも平等に教育を受ける権利を保障すべき」という勧告について、日本政府は「従う義務はない」と閣議決定しています。

 今日、朝鮮半島は米朝、南北の首脳会談が行われ、朝鮮戦争の終結、南北統一の機運にあります。「反日」キャンペーンなどに惑わされずに、過去の加害の歴史を真摯に受け止めなければ、隣国との真の友好は成り立たないと思います。

 誰もが尊重され人間らしく生きる権利があります。すべての子ども達が公平に安心して暮らせる様な地域社会を取り戻せたらと願っています。

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